2013年1月1日
全日本漬物協同組合連合会副会長
関東漬物協議会会長
東京都漬物協同組合理事長
泰地 武

平成25年 年頭所感
激動の漬物業界の活性化を求めて

新年明けましておめでとうございます。

平素は関係官庁はじめ関係団体並びに業界各位におかれましては、格別なご支援ご指導を賜り誠に有り難く厚く御礼申し上げます。

フランスのル・モンド紙は「日本は奇跡の成長を経て、疑念の時にある」と題した社説を発表し、日本は政経両面で衰退していると警鐘をならしているように、昨年の11月頃より電子機器産業の大手パナソニックやシャープが大幅赤字を発表、尖閣諸島を巡る日中関係の悪化により中国での日本車の販売の減少が、トヨタを除きおしなべて下方修正されています。最大の要因は長引く海外経済の減速であらゆる産業に影響が広がる中で、政府は解散という言葉で空転して、慌ただしく年末選挙をした結果、自民党が圧勝し政権奪還を果たしは致しましたが、安倍総裁は「危機突破内閣」と称し疲弊した日本の建て直しを表明し「経済再生、教育、外交・安全保障、東北の震災復興」と問題が山積しています。

とりわけ経済再生を一番に掲げられていることは私達にとって大いに期待する所でもありますが、新安倍丸の舵取りに期待し、デフレ脱却経済浮揚を祈るばかりです。

食品業界を取り巻く環境も非常に厳しく、小売業界が激しい値下げ競争で量販店の収益が悪化し、コンビニは既存店ベースでは売上が減少しており店舗数を増やして維持はしているものの、生活者の緊縮家計の中、物価は下降の一途をたどり、そのしわ寄せはメーカーに押しつけられ喘いでいる状況となっています。

やや好転していることは、賞味期限が切れていない加工食品の返品や大量廃棄の要因となっている流通業界の商習慣「3分の1ルール」が大手量販店や卸、メーカー40社でつくる協議会が「ムダ」をなくす「もったいない」を目的に緩和の方針を打ち出し検討に入り業界全体に普及啓発を目指していることです。

また 量販店売場を見てみると、料理の知識に乏しい若年層向けに、売場にお薦めメニューや調理法を掲示し、メニューごとに食材や調味料などまとめて配置、料理に合わせてカットや味付けなどを済ませ、電子レンジやフライパンで温めるだけで完成する食材セット販売や、出来上がった総菜売場の拡大を図っているところをみると、衛生管理を徹底しながらこういった売場に漬物の素材提案して行くことも一策かと考えます。

我が業界に於いては、昨年の8月に降って沸いたように北海道の0157問題が発生し業界中に震撼が走りました。全漬連に対し農水省より厳しい指導が入り、その対応と対策に役員一同奔走したところではありますが、ようやく今後の対策が5〜6項目出来上がりました。順次全漬連よりご提示し、二度とこの様な事故が発生しないように衛生管理に取り組む所存でありますので浅漬け業界のみならず漬物製造企業様にはより一層の品質管理に研鑽されますようにお願い申し上げます。

日本は今深層崩壊の時期を迎えておりますが、内閣府の国民生活に関する世論調査の発表によれば「心の豊かさ」と「物の豊かさ」のどちらかを重視するかという質問では「心の豊かさ」が64.0%「物のゆたかさ」は30.1%と言う結果が出ており、いわゆる飽食の時代から自分に合った生活の時代へ移行されつつあります。せめて物、金の豊かさより自分に見合った豊かな生活に望みたいものです。

本年もなお一層のご支援ご協力をお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

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