2011年4月11日
東京都漬物事業協同組合 理事長
泰地 武

東日本大震災に被災されました方々へ

このたびの東日本大震災で被災されました関係者の皆様に対しまして心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復興をお祈りいたします。業界においても大変な影響がありましたが、全漬連として災害義援金を送ることが決まり、各都府県にお願いをしているところです。

私達東漬協も少なからずご協力させていただくことを予定致しております。戦後最大の国難とも言うべき今回の震災については長期戦を覚悟しなければなりませんし、じっくり考えて皆様からご協力いただいたものを有効に活用していければと考えております。業界としてできることは必死になって取り組む所存です」

さて本年度事業につきましては平成23年2月に開催した漬物勉強会で、平成22年度の事業は予定通り無事に消化させて頂きました。皆様のご協力に心より感謝申し上げます。

理事長に就任して4期8年になりますが、皆様方のご支援とご協力で何とかつつがなく務めさせていただきました。ただ、年々組合員さんが減少してきていますので、財政面では厳しい状況が続いています。そうした中でも東漬協は全国の中核的な団体としてしっかりしなければいけませんし、全漬連や関漬協の動きの中で、役割をしっかり果たしていかなければと考えています。

漬物勉強会も今回で5回目となりましたが、成果はなかなか分かりづらい面があり、われわれが勉強会をいくら開催したとしても、結局は参加される方の考え方次第です。今年度は日本漬物輸入事業協同組合前理事長で顧問の大曽根洋佑氏と江戸川大学教授の藤澤研二先生を講師にお招きしましたが、いずれも的を射た講演で、大変有意義な勉強会だったと自負しています。さまざまな内容を織り交ぜながら、今後も毎年やっていきたいですし、続けていかなければならないと思っています。

漬物売場の傾向については、量販店によっては安売り競争は相変わらず続いていますが、徐々に見直されつつあるようです。やはり、安かろう悪かろうではお客様は満足して頂けません。本当に望んでいるものを提供していかなければならないと強く感じています。企業の糧でもあり、個々の生活の糧でもありますので、マーケットイン(消費者視点)の発想から、お客様が望んでいるものがどういうものか、模索しながらやっていくことが大切だと考えられます。

また、需要喚起の方策としては新商品の開発が一番重要だと考えます。生活者がどういうものを望んでいるか、そのために産地をどう育成していくか、欲しいものをどう作ってもらうか、この兼ね合いが大事になってきます。一時のブームに乗った商品だけでなく、息の長い商品を作ることが必要です。各企業がそれぞれ特色を発揮し、差別化を図りながら商品づくりに取り組まなければなりません。ただ、漬物は新商品を作っても一気に売れるものではありませんし、難しい時代ではありますが、辛抱しながら、お客様に納得して買っていただける商品に育て上げることが大事になります。

東京は消費地ですが、難しいのは得意先が集中してきていることです。スーパーやCVSの統合が進むことで仕入れが一括になるなど、ベンダーさんや問屋さんも集約されてしまいますので、組合員の各企業が全般的にうまく回るかとなるとなかなか難しくなってきています。モノの流れとして量的な面ではそれほど大きく変わっていないと思いますが、集約されてきている部分で難しくなってきているのは確かです。また、東京ブランドの漬物として、当組合では『おやの七光』という名称の福神漬などを販売していますが、東京ブランドとしてPRできる商品がますます必要になってくると思います。地方のメーカーさんが東京で販売するのと同様に、東京のメーカーが、東京の漬物を地方にも流通させる方法をとっていかなければ生き残れなくなっていくのではないでしょうか。来春には東京スカイツリーが完成し、観光客も大勢いらっしゃるでしょうし、漬物もその中でうまく販売していければと期待しています。

漬物を購入していただけるようPRできる知識の習得のための勉強会に、さらに力を入れていく他、食育の一環として学校で子供の頃から漬物を親しんでもらうための工場見学会や、PR活動として漬物を使った料理コンテストなどを実施できたらと思っています。漬物をPRしながら、本当に消費者が求めている商品をいかに開発し、供給できるかが今後の課題になると考えられます。

今後ともご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

お問い合わせについて

東京都漬物事業協同組合 事務局
Email: toutsuke@tokyo-tsukemono.com