2011年1月1日
全日本漬物協同組合連合会 副会長
関東漬物協議会 会長
東京都漬物事業協同組合 理事長
泰地 武

平成23年度年頭所感
閉塞感への対応は自社の商品開発から

新年明けましておめでとうございます。

平素は関係官庁はじめ関係諸団体並びに業界各位には格別なご指導とご協力を賜り誠に有り難く厚く御礼申し上げます。

昨年の11月19日の全日本漬物協同組合連合会創立40周年記念事業に於いては関係官庁並びに業界各位には一方ならぬご支援ご協力賜り衷心より御礼申し上げます。

お陰様で恙なく終了出来ましたのも大勢の皆様方のご支援があったればこそと改めて心より感謝申し上げます。

平成22年度は世界的にも格差社会が広がった感が否めなく、大国のアメリカが中間選挙で民主党が大敗し、ねじれ議会からドル安傾向がしかたのない状況に追い込まれて来ており、世界経済の中では中国が一人勝ちであったり、領土問題では尖閣諸島や北方四島問題等が絡んで、我が国の政府はますます難しい舵取りが強いられて来ています。

我が業界に関連する農産品市場は降って沸いたように環太平洋経済連携協定(TPP)への参加が表明し経済連携協定(EPA)の基本方針を閣議決定しアジア太平洋経済協力会議(APEC)で表明されました。経済の衰退に直面する日本には「平成の開国」と、その前提となる農業改革が待ったなしと囁かれており、何らかの形で我が業界にも影響が出てくることも予想されます。さらには我が業界の原料依存度が高い中国の人民元の切り上げ問題が燻っており、本年も予断が許せない状況にあると考えております。

一方 今現状の量販小売り業界は高度成長期に煽った大型複合施設から地域密着型の中小スーパーへ変化が見られて来ています。シャッター通りの商店街や高齢者による「買い物難民」対策で都心にプチ・スーパー(ミニ・スーパー)へ店舗展開が加速されて来ています。

現状の漬物売場を見てみると、どの売場を見てみてもメーカー名は違っていても品揃えは買い手の生活者から見て何年も、どの売場もあまり変わりがなく買い物の楽しみがないように思われます。努力は必要ですが我が漬物業界は地域特産品が豊かで、尚かつ四季折々の商品が多くあります。お客様(生活者)からとって買い場(売場)に立ってワクワクする品揃えが出来ていれば楽しい買い場に変化して来るのではないでしょうか。

さらに思うことは、漬物は古来より保存食の家庭漬から始まっており、その地域で地産地消が原点であったと思います。全国の多くの地方名産品は、先ずはその地域の売場で生活者に支持を得ることが、地域の売場変化に繋がり生活者に楽しみを与えられることと考えます。

原点回帰とは言わなくても、原点を見極めながら価格競争のみに走らず生活者に信頼が得られる、品質本意の新しい商品開発にも繋げて頂きたく念願するものであります。

さらに、昨年11月に農水省から発表があった、食品の表示についてJAS法の違反があった場合、これまでは同法違反があっても、過失なぞ軽微な違反の場合は農水省は業者名は公表いていなかったが、本年1月よりは食品業者は社告やホームページ、店舗等で公表しなければならなくなりました。各位には十分気をつけて頂きたくお願い申し上げます。

本年も地球の温暖化やデフレ社会の中で問題は山積していますが、関係各位の皆様方の温かいご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶と致します。

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東京都漬物事業協同組合 事務局
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